北国もやっと、花の季節になりました。
家の周りには、桜、レンギョウ、ユキヤナギ、椿、水仙、モクレン、スミレ・・・
一斉に咲いてます。
被災地の皆さんも、立ち上がり始めたニュースを目にするようになりました。
自分にできることを精一杯・・・と、あちこちで聞かれるこのごろ。
私にできること?
募金は雀の涙にもならず、瓦礫の片付けも自信なく。
でも、出来そうなことありました。
私は古くなったり捨てられそうな、和服地を生かしたいと
リフォームや縮緬細工などを続けておりますが、好きで買い求めたものや
頂いたものなど、使い切れないほどの着物地が沢山集まります。
これを使って綿入れ袢纏(袖無し)を作り、被災した方々に届けたいと。
3月末、長年の友人に相談してみました。
みんな二つ返事で、それぞれの友人達にも協力を仰ぎ、
もしかしたらやれるかもと言う雰囲気に。
さあ、それからが大忙し。
81歳の母を助っ人に、着物をほどき、洗い、アイロンかけ。
私は、試作品製作、型紙おこし、作り方の説明文作成。
和裁と言うと難しく感じるので、ミシンでも手縫いでも
簡単にできるように工夫。
中に入れる綿も、小袖綿を買うと1枚に付き500円ほど必要。
これには困った。
だったら、その分お金で募金する方がなんて声もありました。
そこで、親友のお姑さんが妙案を出してくださいました。
使わない来客用の掛け布団を小袖綿に打ち直すと費用は3分の1。
お布団まで出してくださいました。
私が蒔いた種が、友人を通じて神奈川で、東京で、秋田で少しづつ
芽吹き始めました。
お盆が過ぎて、秋風が立ちはじめ寒さが傷ついた心にしみる前に
心を込めて一針づつ縫った綿入れ袢纏を届けたいのです。
一時でも、背中にそっと手を添えてあげられたらと。
「惚けてはおられん!私もできる。」と母は張り切っています。
「綿を入れるなんて、簡単よ」とすいすい入れる88歳のお姑さんに
「私は縫うのは良いんだけれど」と思わぬ共同作業に心がホンワカ。
「チクチク手縫いって、好きかも!」と言う友も。
ちょっと長くなりましたが、そんな訳で出来た袢纏です。